【ロシア旅#5】イルクーツクからモスクワへの移動について
シベリア鉄道の乗車が旅の主な目的であったが、せっかく面倒なビザも取得をしていたので、首都のモスクワもついでに観光をすることにした。
今回の記事では、イルクーツクからモスクワへ飛行機で移動をした際の感想を述べていきたい。
◆旅のスケジュール
8/9 成田→ウラジオストク(ウラジオストク泊)
8/10 ウラジオストク観光→シベリア鉄道乗車
8/10~8/13 シベリア鉄道(鉄道泊)
8/13 シベリア鉄道下車→イルクーツク観光。(イルクーツク泊)
8/14 イルクーツク、バイカル湖観光(イルクーツク泊)
8/15 イルクーツク→モスクワ(モスクワ泊) 今回の記事
8/16~8/17 モスクワ観光(モスクワ泊)
8/18 帰着
◆前回の記事
イルクーツク空港の雰囲気について
イルクーツクからモスクワへの移動には、飛行機を利用した。時間が確保できればイルクーツクからもシベリア鉄道で向かいたかったのだが、サラリーマンの宿命のため断念。
空港はイルクーツクの中心地からタクシーで10分程度。ホテルで呼んでもらえば交渉も不要のため、便利である。
この日は早朝に出発をしたのだが、8月の時点で既に息が白くなっていた。
空港の中に入ると、想像以上の大混雑であった。確認をしてみると、既に出発しているはずの便が大幅に遅れていたことが原因であった。座る場所もなく疲れたが、シベリア鉄道で培った退屈な時間を楽しく過ごす能力を駆使して、時間を潰した。
イルクーツク空港の雰囲気は、いかにも旧共産主義国のイメージを反映した雰囲気であった。全体的に薄暗く、どんよりとした空気に包まれている。人の態度が横柄といったことは感じなかったが、どこか独特な雰囲気であった。
余談だが、空港はその地域の特徴を如実に反映した空間であると考えている。
例えば、UAEのドバイ国際空港は、その急激な発展を顕著に表していた。一方、バングラデシュのダッカ空港は、搭乗口を降りた時点からカオスな旅の幕開けを感じさせてくれた。
海外に限らず日本国内においても同様であるため、空港に行った際はその場所特有の空気感を味わってもらいたい。
今回使用したのはイルクーツク空港の国内線ターミナルであるが、利用客の大半は現地のロシア人と中国人観光客であった。大きな声もあいまって、中国人観光客が特に存在感を放っていた。
イルクーツクからモスクワへの飛行機に乗った感想
長い待ち時間と中国人観光客による喧噪に耐え、ようやく飛行機への搭乗時間がやってきた。
イルクーツクからモスクワへのフライト時間は、概ね6時間程度だったと記憶している。国内線においても移動に6時間も必要となるロシアの広大さに、非常に感動をした。
飛行機の中の雰囲気であるが、こちらも空港に増して異様な空気であった。とにかくやかましいのである。
席を立たないと死んでしまうのかと思うほど機内を動き回り、機内食が出てきた際にも食べ終わった食器の回収を多くの人が待てないでいた。中国人だけかと思えばロシア人たちも似たような様子で、互いにせっかちな国民性を見て取ることができた。
しかしながら、私は国民性という色眼鏡があまり好きではない。どこの国にも、少数派の例外は存在するためである。内気で礼儀正しいと思われている日本人にも例外はいるだろうし、仲の良かったブラジル人は、イメージに反してサンバなど騒がしい場所が嫌いな陰キャラであった。
国民性という言葉は確かに便利であるが、あまりとらわれすぎると、相手の表面的な部分にしか目がいかなくなる。外国人というだけでどこか別世界の住民と捉える人も多いと思うが、どこに住んでいても結局は同じ人間なのである。
自分の抱いている価値観を押し付けることをやめ、本当の意味で相手という存在と向き合えるように今後も気を付けていきたい。
まとめ
モスクワに行った際にも実感をすることになるが、ロシアという国は中国人に非常に人気な観光スポットである。私の利用した飛行機に乗っていた乗客は、7割方が中国人であった。
中国人はビザの取得も必要なのだが、なぜここまで人気なのだろうか。私は一番の要因として、中国人にとってあらゆる面でロシアが身近な国だからだと推測している。
立地のみでなく、国際的な関係性も良好で近しい関係にある。また、どちらの国も社会主義にそのルーツを持っている。そのため、googleなどのネット機能に制限がかけられていたりと、雰囲気的にも似通った部分が多い。
一方で、日本人の観光客をウラジオストク以外で見かけることは殆どなかった。特に、イルクーツクとバイカル湖では本当に一組も日本人を見た記憶がない。
ビザ取得の煩雑さや情報の少なさも理由になると思うが、それよりも日本ではロシアが旅行先の選択肢として一般的ではないことが要因だと推測している。
「ロシアに旅行に行く人=変わったことをする奴」というイメージすらあるらしく、私も会社でロシア旅行の報告をした際には、ロシアに行こうと思った理由を聞かれたものである。
これには、ソ連時代のロシアに対するネガティブなイメージが払拭できていない点に加え、旅行会社による大々的な宣伝が行われていないことが要因にあると考えている。最近メジャーな観光先となったウズベキスタンを例に取ってみても分かるが、この国がメジャーになったきっかけも、ビザの解禁と同時に旅行会社各社が宣伝を始めたことであった。
ロシアという国においても、今後ビザの発給条件が緩くなる可能性は大いにあると推測する。もしビザが解禁されれば、ウズベキスタンという国と同じように、ロシアが多くの日本人に注目される可能性も高いだろう。
旅先に日本人がいると「非日常」を崩される気がする私にとっては、良いタイミングでロシアを訪問することが出来たと考えている。まだまだ旅人にとってもフロンティアな部分も多いロシアに、読者諸君も興味を持ってもらえれば幸いだ。
シリィ